お葬式

継父のお祖父さんのお葬式の受付を姉妹で担当していた時、飾られている花飾りの中に名前の間違いを見つけてしまい、それがあまりにも可笑しな間違いで涙が出るのに笑いが止まらず上手く受付が出来なくなった。
私一人で笑っているのは癪なので、隣の姉妹にも教え、お互い笑いを堪えながら葬式を乗り切れた。

地方独特な飾りなのかも知れないが、祖父のお葬式でご遺体の周りに花輪と大量の缶詰で出来たお供え物のタワーみたいなのが飾ってあった。
その中に蟹缶などの高級缶詰がちらほら目に入ると姉妹で「あの缶詰タワーを供えた人は太っ腹だね!」と涙目ながらも笑顔が溢れた。

祖母が亡くなった夏の夜、寝ずの番になった私は祖母の身体から聞こえてくるパチパチという小さな蛆虫の音を聞きながら、恐々とお線香を絶やさないように遺体を見張っていた。
すると、夜中の2時ごろ此処から2時間ほど離れた実家で留守番をしている姉の携帯番号がパネルに表示されて着信があった。
何かあったのかと電話に出たが、不可解なノイズで声が聞き取りづらい上に、姉の声とは似つかないボソボソとした声が「ごめんなさい…許してあげて…私が悪いの…ごめんね…」と一方的に喋りかけてくる。
私の声が聞こえないのか私の問い掛けにも答えず喋り続ける声に、私は電波悪いから掛け直すねと素早く伝えて着歴から掛け直した。
しかし、それでも電波が悪く先程と同じ声がブツブツと謝ってくる。
怖くなった私は隣で寝ていた弟を起こして携帯を無理やり耳に押し当てて声を聞かせたが、弟は怖がってその電話を切ってしまった。
翌朝姉に掛け直すと姉の携帯には発信履歴が残っておらず、私に電話を掛けてもいない事が判明。
弟と二人で朝焼けに包まれた座敷の祖母の遺体を見つめて、あの電話は前日母と喧嘩した私に、祖母が謝りに来たのかもしれないね。と、二人で苦笑いを交わした。

今は懐かしく、喪中はがきの最安を探しながら準備をしている。

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